水素とは、文字通り「水の素」という意味で命名された原子番号1をもつ元素で、地球上で最も軽い気体です。元素一覧を「水兵リーベ僕の船・・」なんて覚え方をした方も多いのではないでしょうか。
水素はそのままの形で自然界に存在することはほとんどなく、水(H2O)のように化合物として存在しています。そのため水素を利用するためには、何らかの方法で水や天然ガスなどから取り出すことが必要になります。
例えば水から製造するとなると、水を電気分解して水素を取り出すのです。
水素は無色・無味・無臭で、また分子が非常に小さいため、薄いビニールなどは通過してしまうとされています。
水素の発見は1766年、英国の化学者・物理学者のヘンリー・キャベンディッシュが初めて水素を取り出すことに成功しました。その後、水素と命名されたのは、発見から約20年も後のことになります。その命名された「水素」は、ギリシア語の水と発生を合わせ、「水を生ずるもの」という意味を含んだものでした。後に「水素」は英語名 hydro(水)gen(~を生じるもの)とされ、hydrogenが「水素」の世界共通語となったのです。
水素は、抗酸化物質として優れているとよく言われています。抗酸化物質とは簡単に言うと、老化や病気の原因となるとされている活性酸素の働きを抑制したり、そのものを取り除くことができる物質のことです。
近年、水素が医療で注目されるのは、活性酸素のなかでも害とされる悪玉活性酸素(ヒドロキラジカル等)のみと反応するためです。悪玉活性酸素と反応した水素は、無害な水となり排出されます。また副作用がでないことも利点とされています。
エネルギーとして幅広い活用が注目されている水素。健康面への効果も、今後一層の期待が集まるのではないでしょうか。